『SAPEUR』お洒落するという生き方
皆さんは「SAPEUR(サプール)」という言葉、聞いたことありますか?
私は最近知ったばかりなのですが、彼らの言葉と生き方にすごく感銘を受けています。
サプールは「おしゃれで優雅な紳士協会(La Societe des Ambianceurs et des Personnes Elegantes=通称SAPE)」の頭文字。
彼らは街のヒーローであり、人々はすれちがうとき歓声をあげ、尊敬のまなざしを向ける。
高級ブランドのお洒落なスーツに身を包み、週末ごとにブランド靴で地面を踏みならして街を闊歩する_。
ちょっと聞くとお金持ちのおじさんの趣味ですか?という人もいるかもしれませんが(笑)
驚くべきはここがアフリカのコンゴで、彼らの多くがむしろ経済的には貧しい一般人ということ。
給料の半年分にも相当(!!)する洋服を着、なぜそこまでして彼らはお洒落をするのか?
実は彼らには明確なポリシーとルールがあります。
彼らはただお洒落が好きで自分を着飾っているのではなく、人を魅了し、人の心に働きかける、まるで暗闇の中の光のような存在なのだそうです。
そして人々は着飾った彼らの姿だけではなく、あくまでもその生き方、自分を絶えず高めようとする姿勢や、立ち居振る舞いからにじみ出る「格好良さ」に対して、賞賛を送っているのです。
幾度もの最悪の内戦を経たコンゴという国で、彼らの言葉はとても重い意味を持ちます。
「戦争ではたくさんの大切なものを失い、また多くの人の人生も奪われた。
戦争とサプールは共存できない。つまりサプールと戦争は対極にあるんだ。
サプールで有り続けるということは、非暴力の運動でもあるのだよ」
「武器は悪魔の道具。だが服は健全な道。戦争からは何も生まれず、生活は今も何も良くならない。
しかし、美しい装いをした人は争いや、混沌としたものを避けるようになる。綺麗な服装は人の心を美しくし、美しい心の人が増えれば戦争など起きないのです」
「サプールは平和の伝道師です。暴力は絶対にいけません。どのような理由でも絶対に喧嘩してはなりません」
ほかにも、印象的だったサプールの言葉があります。
「サプールは着飾るだけではいけない。
良い服を着たら、その服に見合った態度をとらなけれなならない。
エレガントであり、すなわち紳士であることを求められる。
ルールを守り、決して暴力を振るわない。絶えず高みを目指す。
絶えず人に見られているから、背筋ものびて老け込まないんだ」
「他人を認め、他人を尊重し、他人に敬意を払う。
自分を磨きたいなら、人を大切に思わなくてはならない。
相手を恐れず、蔑まず、尊敬する。他者への真摯な態度が勇気となるのだ。」
「黒い服を着ていたら元気がなくなちゃうよ。私の放っている色でみんながハッピーになるんだ。色は笑顔を生むのさ」
「人は見られるために生まれてきた。見られるということはいいことだ。それは隠れないということだから」
「この国の未来には若者の力が必要なんだ。
だから我々が愛情を持って、いい習慣や良い行動を見せてあげなきゃならない。
良い服は良い習慣を生み、それでまた人は成長できるんだよ」
「サプールの教えは人としてどう生きるか? 大切なことがすべて詰まっています。
私がこの活動を続けるのは、この国が成長して行く姿をみたいから。
この国が平和であってほしいからなのです。」
サプールとは何か?
サプールとはスタイルであり、生き方であり、哲学なのかもしれません。
「ファッションとは、厳しい日常に差し込む一筋の光であり、
サプールとは暗闇を照らす光」
ひとりのあるサプールの言葉です。
私たちが普段つかっているお洒落の意味合いと…なんて違う言葉でしょう!
正直、私はファッションってTPO以外、自分が楽しむだけのものと思っていました。
でも、後に続く人のためにするファッションがある!
若い人があんなふうになりたいと憧れを持つことで希望を与えられる年の取り方がある。
彼らが言う「お洒落をする」ということは、どれほど想いの込められたものなのか。
着る服には、人を変える力がある。
ファッションが持つ力を今回とても考えさせられ、元気をもらいました。
うーん…
それにしてもカッコイイという以外、私には言葉が見つかりません!